The 「Dust pressed buff body tile」which was made in
「Stoke-upon-Trent」.
ストーク・アポン・トレントで作られたタイル
英国スタッフォードシャー北部にあった、6つの陶器産業の町や村や教会区。
それらの名前は、Stoke-upon-Trent、Hanley、Tunstall、Burslem、Longton、Fentonというものでした。
これらを統合して、1874年には地方自治区となり、1910年にはStoke-on-Trent市に昇格しました。
現在のStoke-on-Trent市になっても、『ポッタリーズ(The
Potteries)』という通称で呼ばれることもあるほど、イギリス屈指の陶磁器メーカーが集まる町として有名であり、陶器産業の里とされる都市です。
ストーク・オン・トレントのある、スタッフォードシャー北部では優良な石炭が採れました。
石炭採掘の歴史は少なくとも12世紀からと言われます。
また、この地は陶器生産に適した粘土質の土もあり、陶器産業にとても適した地でした。
町を流れるトレント・アンド・マージー運河は、原料の運搬や製品の輸送に使われました。
これらの要因を受けて、ストークは高品質の陶器生産の牽引役となり、世界の陶磁器の中心地と呼ばれるほどにまで発展してゆきました。
ロイヤルドルトン、スポード、ウェッジウッド、ミントンなどはここで生まれ、ここを基盤とし、17世紀には、飛躍的な発展を遂げてゆきます。
他にも、スージー・クーパー、クラリス・クリフ、シャーロットレッド、トーマス・ウィルドン、フレデリック・ハートン・レッド、ジェイベズ・ヴォドリーなどの名も挙げることができます。
ジャスパーウェアや、銅版転写技術、ボーンチャイナを量産する技術など、様々な発明がなされました。
1840年にはリチャード・プロッサーが「Dust
pressed」というタイル製造方法を発明します。
このタイルは、その手法を発展させた「Dust pressed buff
body」という技法を用いて、「THE CAMPBELL BRICK &
TILE社」によって作られたものです。裏の刻印から製造年月日までが判明できます。(下記の画像をご覧ください)
※クリックすると拡大できます。
この技法によるタイル製造の産業化に成功したのが、かのミントン社です。
この発明と変化により、複雑なモザイク模様のタイルの、均一品質かつ多数製造が可能になりました。
そしてそれは当時の英国で、ゴシックリバイバルを起こすきっかけとなったとも言われます。
Stoke-on-Trent市のモットーは、”Vis
Unita Fortior”。
”統合した力はより強力である”です。
町の至る所に建つ窯の煙突からは、今日も煙があがっています。