猫脚とも呼ばれるカブリオールレッグは、1700年代初期のアン女王の時代に始まりました。
カブリオールとはフランス語のダンス用語で“弾む”とか“飛びあがる”という意味です。
そのデザインから受ける印象に由来したのでしょう。
ロココ様式の彫刻モチーフとして流行したものには、貝殻、葡萄、植物、渦巻き、アラベスク模様などがあります。
そもそもロココの語源自体が、フランス語でロカイユ= シャコ貝を指します。
貝殻彫刻は脚部の膝の部分や先端などに用いられることが多く、このローテーブルにも見ることができます。
天板はウォールナット材で、ファニアー(扇模様)と呼ばれる寄木張りになっています。
こういった貝殻彫刻の中に、価値を上げるために“あと彫り”されたものを時々見かけます。
そういったあと彫りのものは、彫刻部分が膝の曲面の表面より低くへこんでいますので、容易に見抜くことができます。